湯田貯砂ダム(錦秋湖大滝)のダムカード

湯田貯砂ダム(錦秋湖大滝)のダムカードです。昨日(2017年8月11日)から配布が始まって、まだホヤホヤです。

湯田貯砂ダムのダムカード

貯砂ダム初のダムカード 湯田貯砂ダムのダムカード

配布場所は8月13日から「湯夢プラザ」内の観光案内所になります。(ほっとゆだ駅向かい)

貯砂ダムとしては初のダムカードで、初というだけあって他のダムカードとはちょっと違います。ダムカードの右上にはそのダムの目的情報をアルファベットで表記しています。

  • F:洪水調節
  • N:河川の正常な流量の維持
  • A:かんがい
  • W:上水道
  • I:工業用水
  • P:発電
  • S:?
  • R:?

たとえば「FAP」であれば洪水調整(F)、かんがい(A)、発電(P)を目的としたダムということになります。でも、湯田の貯砂ダムの場合、どの目的にも当てはまらないためアルファベットではなく「貯砂」と漢字で記されています。

湯田貯砂ダムのダムカード

湯田貯砂ダムのダムカード

湯田貯砂ダム

湯田貯砂ダムの内部。流れ落ちる水流を裏から見ることができる
ダムは完成以来目的に沿って稼働している。だがダムの目的を阻害する重要な問題として堆砂(たいさ)がある。堆砂とはダム湖に上流から流れてきた土砂が貯まることであるが、洪水調節を目的とする多目的ダムや治水ダムの場合、過度に砂が貯まると計画された洪水量を貯水できなくなるという弊害が起こりかねない。湯田ダムの場合は現状として当初の目測通りの堆砂進行率であるが、上流部の山腹崩落が進んでいることもあり、今後中長期的には堆砂のスピードが速まるという懸念もあった。

このためダムを管理する建設省は上流部で砂を堰き止めて錦秋湖内の堆砂を防除することを目的に1997年(平成9年)より「湯田ダム貯水池保全事業」の一環として錦秋湖上流部、川尻地点の狭窄部入り口付近に砂を溜めるための貯砂ダム(ちょさダム)を建設することを決め、5年の歳月を掛けて2002年(平成14年)10月に完成させた。これが湯田貯砂ダム(ゆだちょさダム)である。

ダムの目的は上流から流れてくる砂を貯め込んで堆砂を防ぐことを最大の目的としており、砂防ダムと同様の役割を果たす。だが湯田貯砂ダムの場合は普通の砂防ダムと異なり、ダム内部に通路を設けて一般人の自由な往来が可能な構造となっている。砂防ダム・貯砂ダムでは堤体上部から水を越流させる構造が一般的であり、人は通行できない。だが周辺には錦秋湖川尻総合公園があり、サイクリング・ハイキングコースもあるためこれらとの整合性を図る必要性があった。そこで建設省はダム内部をくり抜いて通路とし、その分上流面に厚くコンクリートを打設することで強度を保ち、かつ一般の通行を妨げない方法を採った。

こうして日本でもまれな堤体内部を通行できる貯砂ダムが完成した。通路からは上から流れ落ちる様を裏から見学することができる。さながら裏見の滝である。2014年(平成26年)にはこの貯砂ダムに錦秋湖大滝という愛称が与えられた[2]。内部は水流のために常に涼しく、夏には格好の避暑スポットにもなる。またダム完成によって従来余り水の貯まらなかった錦秋湖上部も安定した水量・水位が確保出来るようになり、周辺環境やカヌー・ラフティングにも好影響を与えている。貯砂ダムの通行時間は9:00 – 17:00の間であり、洪水の際には通行止めになる。

出典:ウィキペディア